アレヤコレヤの散文 あたまのなかの引き出し ソレトこれがつながる

ひとり芝居『カスタネット』美術 照明 音楽 / 場と質

末原拓馬『カスタネット』 ひとり芝居

作、演出、出演、美術、照明、音楽作成 も御本人ひとり

 

今まで、一人芝居には孤独の「どく」の字を充てた「独り芝居」を使用していらっしゃったのですが、今回は最初から「ひとり芝居」を使用していました。なんでかな?と思いましたが『カスタネット』は御本人にとっても大切な作品とのこと。これから先、普遍な作品に現代の古典に成りますようにとの思い。

然るに、彼一人や独りの作品ではなく、皆が共有し続ける、バトンのように繋いで続いていく作品。そのような想いから「ひとり」の平仮名にしたのでは?と思っています。

 

【美術】

八幡山ワーサルシアターの上演会場に入って驚きました。勝手にシンプルな舞台と思っていたのです。

客席に向かう三段の階段を登って目の前に広がった空間は…天井から無数にぶら下げられた紐やダンボールでつくってある短冊のような短長ヒラヒラしたもの、いくつかの立体の大きな花、そして印象的な花びら一枚なのかもしれないし雫なのかもしれない涙型。

客席に下りる階段が谷のように下り坂になり、通常は舞台部分である対岸の壇上にも客席があり、奥と両脇の三方の壁には黒い壁に白い紙製で、主に線で模様が施されています。通常の客席側の椅子は取り払われ、段部分に座布団が敷かれていました。対面式客席の変形。

演じる舞台部分はというと、通常時は一番前の客席ブロック部分のメイン舞台と、回廊のように舞台上の客席の周り。メイン舞台の右手には脚立が2脚開いて立ててあり、その後ろの壁には脚立に呼応するような横線模様等、舞台左手には腰まで位の大きなブロックのような四角い箱がひとつ、その上に無造作に丸めて置かれた布の塊。奥の壁には、タンポポにもガーベラにも菊にも見る人次第でなんにだって見る事が出来る、子供が書いたようなスクッと立っている一本の花。

開演まで座った位置からグルーッと一周見回すと、非日常にトリップした高揚感に包まれました。おぼんろ名物の360度美術スタイルもそうですが、今回のワーサルシアターの360度は私のサイズから言うとベストにピッタリの広さとシンプルでありつつ、暖かみのある美術でした。

初日の座席数は、おおよそ40席位だったと思います。舞台と客席の比率が4:6(個人的体感)くらいでしょうか?舞台も客席も圧迫感がなく、前からそこに在ったようにしっくり馴染んでいます。縦のラインが上からぶら下がる美術のお陰で強調されて、天井もとても広く感じました。

右手に高い脚立、左手に四角いブロック、その間に空間とその奥に見える対岸の参加者と1番奥に白い大きな花一輪。近いのに拡がる空間。空気遠近法か。尚且つ、空間に沢山の余白があり、この空間の余白が物語が始まると更に活きてきます。

しかし、これにはちゃんと配慮と狙いと考えがあったようで…

 

初日後 公式アメブロ

写真あけました!|末原拓馬オフィシャルブログ「末原拓馬の瞬く間」Powered by Ameba


座席配置のゆったりをみて、予約者少なめなのかな?と思っていたら、とんでもない狙っての少なめ座席。すみません、そしてありがとうございました。両脇のパーソナルスペースがゆったりで足元も広く、芝居を観ることにとっても集中出来ました。

 

【照明】
あんなに低い位置に設定された照明 初めて見ましたし、体験しました。奥客席の座席と座布団席の間の空間部分。上方から照らす直接ライト、側面からの間接的な光、危険信号の紅い照明、手元を照らすランタン、そして、ひくーい位置でほわっと光る光。

目を閉じて、暗ーくなって、目を開けて。薄暗い中で再度目を閉じて物語がはじまる…カスタネットの物語。タン タン タン…

 

暗転と次に来る、光。 明転と次に来る暗闇。

その満ちては引き、引いては満ちるようなあかりのリズムがとにかく優しく、これまた劇場サイズにピッタり。


手持ちランタンが白いLEDのキャンプ用だったのが残念。蝋燭に見えるオレンジ色の揺らめくLEDもあるので、ブリキかアイアン系のランタンやランプがより物語に似合っていたと思う。

 

【音楽】

オリジナル楽曲。ラップに子守唄とそのデュエット曲。特に子守唄はアタマに残るメロディと歌詞でこの物語をひとりミュージカルと一昨年言っていた意味がわかりました。本当に素敵な曲。

 

唯一残念と思ったのが、音源のクオリティーでした。

ドブロクのラップ風歌曲の伴奏録音が質的に良いとは言えなかったのと、音がスピーカーから大きく鳴っていたためにドブロクの生き方の心根の歌詞が聞き取れなかったのが残念。

 

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2016年に毎月開催していた「ひとりじゃできねぇもん」 通称「ひとでき」

2月公演のカスタネットが独り芝居の形式で上演。詳しくは、

 2016年 公式アメブロ 

ameblo.jp