アレヤコレヤの散文 あたまのなかの引き出し ソレトこれがつながる

ひとり芝居『カスタネット』物語 / 心と想像の翼を拡げて

「物語」についてはストーリーそのものではなくて、この「末原拓馬ひとり芝居 カスタネット」を観てどう思ったのか、感じて考えたのか。を記します。

 

私の偏った考察になりますので、舞台未観 、戯曲未読の方はご留意下さいませ。 

 

 

 

 

贅沢にとった舞台空間 そこから生まれる余白  「空間の余白 」

この演出と、演者一人の「ひとり芝居」形式、そして演ずるは作者 末原拓馬

「この芝居」 だから 見える物語 感じるストーリー

演出が違い、特に演者人数が複数で登場人物を演じわけるとこの感想にはたどり着かないと思われます

 

 

まず、題名が「カスタネット」。なのにしばらくそして殆ど出てこない。

哀しくも心美しい少女。カスタネット

始まりは、薄汚れてアルコール依存症らしきドブロクの登場から…

 

語られる、花だけを作る王国。美しい花だけを作る、そうは言っても=美しい国ってわけじゃあ無い。奴隷商人、子供の人身売買、親を無くした子供が一人っきり。物乞いも居て、助けてくれるのは庶民達。国として弱者の救済がなく、機能していない。住民、国民の善意、努力のみ。

 

武器だけを造る王国、喧嘩を吹っかけられた国。武器商人それが=悪い国なのかはわからない。語られてわかるのは、花だけを作る国の王様は愚王ということ。物語が進むと殆ど狂王である。狂ってる。

 

ドブロクは幼い頃から労働力として、酷い扱いを受けて育ってきたのね、自ら言ってるけど、最低の非道者、生き延びるために憎悪を垂れ込み、悪意を振り撒き、善人ぶる。全て自分自身の為だけに。

取りあえず処刑から逃げて戦をしても、自分が生きていなけりゃ水の泡。戦いをしかけたのは、後先の考えの無い王様だけど、明らかに負け戦。どちらにしろ戦後なんて荒廃しきって豊かではなく、その日一日を生きながらえて、そんな状況の自分から出てくる「言ノ葉」を何に使ったのやら?ドブロクさん

 

人のせいにするのは至極簡単だし、その一瞬は心が痛まないけど、その場凌ぎの口癖でポロッと出た嘘の一つが、唯一の者を永遠に失うことに

後悔しても後悔しても、傷みは癒えず痛みは消えず

死ぬほど渇望した、生き延びる事 が自分を苦しめる

失って気付く、気持ち

 

幼く弱い者を襲わせて恐怖を味あわせ、責任転換してなすりつけて。アンタ醜い自己憐憫なんて虫が良すぎ。ちゃんちゃらおかしい。

って思う私はカスタネットには程遠く

 

惨劇の草原には色とりどりの花々が、「言ノ花」と光と共に復活しても、戦いあったふたつの国は元のようには戻らないだろう。果して王制が続いているのだろうか?

花瓶に罵詈雑言を吐いた市井の人達はその後どう暮らしているのだろうか?

なにもなかったようにはできまい

それでも偽りの良人は、そそのかされたと他者のせいにし、自らを直視せずに逃げつづけるのだろうか?

そう、ドブロクのように

 

唯一、人や出来事や置かれた状況を、何かのせいにもせず淡々と過ごしていた少女カスタネット

ドブロクにどのような感情を抱いたのか、私には分かりかねるけども、なんかしらの好意を抱いていたのは確か。もう、生きるパワーが弱かったのかな?悲しい最後

ドン!と真っ直ぐ突き出された腕、そこからハラリと落ちる彼女。床に赤い血がみるみるうちに広がって行くのが見えた。

 

彼女の登場場面は意外に短く、しかしながらどれもが印象深い。これは演出が大きく効いていると思われ 存在自体が危うく思う 夢のような マボロシのような少女

 

ひとり芝居だから、思ってしまう。66個目の花瓶を渡した相手、それはドブロク自身なのかも。カスタネットが彼の幻想のように思えて。

  

最後の花瓶に吹き込んだ「言ノ花」は彼のカスタネットの部分。貧しくても、寒くてひもじくても、母親のハグの暖かさがあれば凌げた、幼い頃。

一応、錦を飾ったドブロク。でも母親にその姿を見せること再会すること、自分の入れ知恵のせいで叶わず。

 

最後は 独り背中を丸めて、アルコールで孤独を紛らすドブロク

彼を浮かび上がらせる 暗闇に一筋のスポットライト

 

この『カスタネット』ひとり芝居上演 は本当に美しかった。

外は大雪後の寒い寒い寒波到来の東京。

白い息が似合う季節にぴったりの私家版の手製本のような作品でした。

 

 

終演後 公式アメブロ

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この作品が広く知られ、上演され読まれる物語となることを

末原拓馬氏自身強く願っています。

(購入した戯曲の最後には、作品を利用したい人が連絡をとる連絡先が記してありました。)

 

公演前 公式アメブロ 

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